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漢字の表記の話 [その他]

僕は正字正かなをかっこいいと思ってる。
文学全集などはやはり、旧字&歴史的仮名遣いでないとだめだろうと思う。
自分が文章を書く時は、やはり、利便性の面からどうしても新字新かなを使ってしまうんだけど。

そういう僕が気になるのは、旧字・正字と、新字を混ぜて使っているのを見た時。
どっちかに、統一しろよと思う。

例えば、光栄の「三國無双」

例えば、ALI PROJECTの「亡國覚醒カタルシス」

正しくするなら、「三國無雙」、「亡國覺醒カタルシス」だ。

(ちなみに光栄のゲーム、ALI PROJECTの音楽、共に僕は大好きです)

「國」の字はポピュラーだから使いやすいってことがあるんだろうけれども、「国」を「國」にするんだったら他の字も昔の漢字にしてもらいたい。

その点で言うと、素晴らしかったのが、「英國戀物語エマ」だ。

上記の例でいくと、「英國恋物語エマ」とでもしてしまいそうなところを、ちゃんと「戀」という字を使っている。

「いとし、いとし、と言う心」というのは有名なフレーズ。「愛し」の「いと」を「糸」とかけているわけですね。

(ちなみに僕はこのアニメが超絶大好きです。
冬馬由美さんが超好きなんです。
きっかけは、僕を声優ファンにした原因である「みつめてナイト」という神ゲームで、ライズ・ハイマーという、無表情系の、当時でいうと綾波レイ、今でいうと長門みたいな役、しかし綾波より長門より魅力的なキャラをやられていて、これでキャラと同時に冬馬さんも好きになって、「ああっ女神さまっ」のウルドとかも見るようになって、みたいな流れです。
エマは作品的にもすばらしい作品で、登場人物の心の動きが丹念に描かれています。冬馬さんの芝居も素晴らしいし、音楽も素晴らしいし)


あと、ちょっと話が変わるけど、固有名詞は勝手に新字にしないのが、大人のマナーだと思ってる。

「保田與重郎」は「保田与重郎」にすべきでないし、「澁澤龍彥」は「渋沢竜彦」にすべきでないと思う。
雑誌の「文藝」とか「文學界」もそう。


あと、またちょっと話が変わるけど、保田與重郎を中心とした文学エコール(英語で言うとスクール。=学派・流派)で
日本浪曼派
というのがあるんだけど、これを「日本浪漫派」と書く人が多い。正しいのは「曼」で、さんずいはいらない。
「日本浪漫派」と書いてあると、その言葉だけ見れば、日本のロマン主義文学全般を指しているとも受け取られかねないわけで、その場合、明治時代の「明星」あたりまで含むのかということになるので、やはり、昭和の保田與重郎と、その周辺のことを言う場合には「日本浪曼派」という固有名詞を使うのがいいと思う。あくまで個人的な意見ですが。
あと、読みなんだけど、「にほんろうまんは」が正しい。リアルな発音だと「にほんろーまんは」。
ウィキペディアに「にほんろまんは」と書いてあるけど、違う。
こっちのほうが正確→http://www.tabiken.com/history/doc/O/O079L100.HTM

ちなみに、なぜ「浪曼」という表記になったかというと、「roman」という外国語を漢字にするとき、夏目漱石が「浪漫」として、森鷗外が「羅曼」としたらしいのですが、両者を折衷して「浪曼」にしたらしいです。
神林恒道氏の『近代日本「美学」の誕生 』(講談社学術文庫) という本に載ってました。
英國戀物語エマ DVD-BOX

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  • 出版社/メーカー: ショウゲート
  • メディア: DVD
亡國覚醒カタルシス

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  • アーティスト: ALI PROJECT,宝野アリカ,片倉三起也
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2006/05/24
  • メディア: CD
真・三國無双4 猛将伝 PlayStation 2 the Best
保田與重郎のくらし 愛蔵版―京都・身余堂の四季
澁澤龍彦幻想美術館
近代日本「美学」の誕生 (講談社学術文庫)

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